2018年01月01日

進まない経営改革 ( 競争戦略の誤解 経営理念は本当にただのスローガンなのか )


中小企業診断士の根本健太郎です。 

経営改革、イノベーションの最も基本となる概念と言えば、言わずと知れた 「 理念の醸成と浸透 」 ですよね。

色々な経営施策や戦術の根っ子にあるのは、その会社の理念だからです。

この 「 理念の醸成と浸透 」 なるモノは、あまりにも当たり前すぎて目新しくも無いので、どんなにその重要性を力説しても、鼻で嗤われるのがせいぜいです。

しかし、本当に明確な理念を持ち、それを組織に浸透させているリーダーは稀なのです。

「 御社の経営理念は何ですか 」 と問われて、明快に即答できる経営者も、これまた稀にしかお会いできません。


≪ 経営理念は企業風土を作り出す力がある ≫

経営とは意思の力です。

経営する意思、働く意思、目標達成の意思、生活の糧を得ようとする意思、世間体を取り繕おうとする意思、などなど。

それこそ、なんとなくアルバイトを続けているのだって、少なくても「なんとなく・・」という意思が働いているハズです。064377s[1].jpg

様々な人の、色々な思惑が絡まり合って、一つの経営体が成り立っています。

その経営体の真ん中にあるのが経営理念です。

しかし、経営者が理念という意思を、自らが実践している事はほとんどありません。

一人親方で無い限り、経営の実践は従業員が日々の仕事を通じて行っているのです。

経営者の「こんな会社にしたい」という意思と、従業員の「こんな自分でありたい」という意思が、近ければ近いほど、経営理念の浸透はスムーズに行われる事になります。

これを‘ 共感経営 ’ といいます。

共感経営は深く、静かに浸透して、いつのまにか企業の社風や雰囲気を決定してしまいます。

だからこそ、真ん中にある経営理念が重要なんです。

例えば同じ金融機関でも、日銀、都市銀、地方銀、信金は、一歩店内に入ったらそれぞれ全く違う雰囲気ですよね。
(私は前職で日銀を担当していましたが、とっても特別な雰囲気の場所でした)

それは社会的使命が違うので、自然自然にそうなった必然なんです。だから従業員の身のこなしまでも、全く違うものになるのです。


≪ 旗印は折れそうな心を鼓舞する力がある ≫

「 経営理念なんてコムズカシクテ考えた事も無い 」 とおっしゃる方がほとんどでしょう。

ならば、もっと身近な言葉で 「 夢 」 では如何でしょう。

経営理念と夢は、ほぼ同義とも考えられます。

どちらも ‘ あいまい ’ でありながら中心であり、どちらもそれに共感した人々の行動様式を決定付ける力があります997647m[1].jpg

「 夢なんか無くても会社は存続できる(または生きていける) 」 とおっしゃる方も沢山いるでしょう。

確かにそうかも知れません。

でも絶対的な真理を見落としている可能性があります。

それは 『 現実は夢以上にはならない 』 と言う事です。

偶然や幸運が訪れる事はありましょう。しかし、何年もズーっとそれが続く事はありえません。

夢に向かって行動していくからこそ、実現の可能性があるのであって、偶然の積み重ねで成功していくほど現実は甘くは無いのです。

逆に 『 志あらばおのずと成し遂げられる 』 が欺瞞であることも解りきっています。

どうやら少なくとも、夢に向かう意思だけは最低限度もっていなくては始まらない、って事だけは真実のようです。

これは企業経営だけでは無く、個人としての野球選手だって寿司職人だってネイリストだって、はたまた国家公務員だって、みんな同じです

世界的企業や一流プレイヤーになれるか否かは保証の限りではありません。

しかし、実際にそうなった人達は一人残らず、そうなる意思を持っていた人達である事は間違いありません。

様々な意思の集合体である企業が、根っ子である経営理念を持つことの意味は、ひとえに企業としての統一意思を広くアピールして、バラバラなみんなに共感してもらう事にあるのです。

そのヨリドコロとしての言葉が、経営理念(夢)な訳です。

ちなみに徳川家康の旗印は 「 厭離穢土欣求浄土(えんりえどごんぐじょうど) 」 ですが、意味は 「 ケガレはてた土地を捨て夢の国を求める 」 と言うほどのものです。

当時の人々がどれほどこの意味を理解していたかは不明ですが、何となく家康の夢と意思を感じる旗印ですね。

激しい戦場の中にいる兵士たちはこの旗印を仰ぎ見て、何度も勇気付けられた事が想像できます。

理念を掲げるとは、そういう事だと思うのです。


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posted by 根本 健太郎 at 03:44| Comment(0) | 経営改革 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月04日

進まない経営改革 ( 競争戦略の誤解 中小企業は何と競争しているのか )


中小企業診断士の根本健太郎です。 

今回は ‘ 御大 ’ マイケル・ポーターの競争戦略についてのお話しです。

いえいえ・・私ごときが巨匠ポーターに、あーだ・こーだ、言うつもりは全く無いんです。

が、どーもこの競争戦略ってのが隔靴掻痒(かっかそうよう)感バリバリな訳です。その辺をちょっと考えてみましょう。


《 競争戦略は王道である 》

言わずもがな、ですがM・ポーターの競争戦略とは826597m[2].jpg

5フォース分析などの分析ツールにより業界の競争状態を分析して

・買い手の交渉力、供給業者の交渉力、新規参入者の脅威、代替品の脅威、競業者の敵対関係、、、、なんかを明確にし

・コストリーダーシップ戦略、差別化戦略、集中戦略などの打ち手を考える

訳なんですが。(ふ〜、、ザッパクに書いてみても疲れる・・・)

つまり、色んな脅威や外圧に対して、カウンターをあてて対処しましょう。で、生き残るためにはライバル達との競争に勝たなければなりません。。。という主旨ですね。

それがポーターの言う戦略だとすると、ポーターの戦略ベクトルは外に向いている事になります。

なぜなら外部環境分析ありきで、自社の対応策・打ち手を考えているからです。

この考えは「 マーケットイン 」 の考え方とも符合(ふごう)します。

自社の商品やサービスは、他社と差別化されたモノが望ましく、且つ市場のニーズに沿ったものが望ましい。。。んで、そこに経営資源を集中することにより競争に打ち勝つのだ、ってな段取りです。

それは、仰せの通りでしょうし、王道ですよね。

でもこの王道、中小企業にはちょっとシンドイのです。


《 王道は大抵の場合、下々にやさしくない 》

もちろん差別化したいのは山々なのですが、変わりやすい市場ニーズに沿った製品やサービスを捻出し続けるのは体力的にシンドイですし、集中すべき経営資源も潤沢にある訳では無いのです。116145s[1].jpg

※この辺は2015年11月1日に書いた「経営コンサルの常識を疑ってみる ( マーケットインって、どうかな その2 )」あたりをご参照ください。
http://kentaronemoto58.seesaa.net/archives/201511-1.html


どうもこのもどかしさは、「先行者利益」の理論を考察した時に感じたものと、とても近い気がしています。

つまり、理論のターゲットが大企業(大資本)を中心に考えてるんじゃないかな・・・って事です。

※先行者利益については2017年5月1日に書いた「経営コンサルの常識を疑ってみる ( 先行者利益・・って、どうかな )」あたりをご参照ください。
http://kentaronemoto58.seesaa.net/article/449765829.html

もちろん古典セオリーは普遍的だって事は重々承知しておりますし、それを応用するのがコンサルタントの腕だってことも理解しております。

でもやっぱり、冒頭に申上げた隔靴掻痒感は否めないんですよね・・・。そんな迂遠な話しを中小企業の経営者に面と向かって言っても、貧乏ゆすりが激しくなるのがオチなんです。


《 得手に帆立てて、はどうやら正しい 》

ご承知の通り、中小企業が切れるカードはそんなに多くはありません。

市場や競合他社にカウンターをあてて、縦横無尽に展開する事は出来ないんです。327005m[2].jpg

数は少なくても自社の得意な事や、ちょっと他とは一味違う事で勝負するしかないのです。

むしろ、そのカードをジッと見つめて、どこかにハマらないかな・・・と、カードのあてはめ先を探すのが普通だと思うのです。

つまり中小企業の競争戦略は「内に向いている」のが普通なのです。

ですから、ポーターの「外に向いている」壮大な競争戦略とはマッチしない部分が多いのです。

よって、競合他社との競争意識よりも自社の得意技を大切にしますし、市場動向とのマッチングよりも地域の一番店を目指すことに努力するでしょう。

スケールの大小が直接的な問題なのではなく、実はそれに起因する優先順位の問題なのです。

これは競争よりも、むしろ愛顧を目指していると言う事ではないか、と思います。

いわば、相対的価値よりも絶対的価値を目指していると言う事です。

そこには競争原理ではなく、自己研さんを重要視する姿勢が見て取れます。

そんな相手に競争戦略をストレートに説いても、共感を得る事は困難です。

やはり大家のセオリーはワキマエル事が重要で、そのまま振りかざしても受け取る側の心に響かない場合が多いのです。

古典的セオリーをどれ程ワキマエテいるか、そしてそれをどれ程使わないで済ませられるかが、経営コンサルタントの腕なのではないか、と近頃思うのです。



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posted by 根本 健太郎 at 03:43| Comment(0) | 経営改革 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月01日

文化と経営 ( 不登校・出社拒否 君死にたまふことなかれ )


中小企業診断士の根本健太郎です。

今回はちょっと重いテーマです。

夏休み・連休明けって登校拒否や出社拒否が増えるんですってね。

夏休みが終わって随分たつので、そろそろ落ち着いてきたでしょうから、ここいら辺でこのテーマについてチョット書いてみます。


《 分析したから解決できるって訳ではない 》

これは今に始まった事では無くて、連休明けや夏休み明けに学校や会社に行きたくない人が増える傾向って前々からありましたよね。

原因について、識者や専門家の分析では 曰く 『 生活習慣の乱れ 』 曰く 『 甘え、無気力 』 曰く 『 サボり癖 』 などなど。

原因として良く聞く 『 勉強(仕事)についていけない 』 『 人間関係 』 は、長期休暇明けとは因果関係がハッキリしませんので、ここでは含みません。

そうして解決策が 『 ガツンと注意 』 『 厳しい態度で臨む 』 『 規則正しい生活 』 『 専門家に相談! 』 だそうで・・・。なんじゃそりゃ・・・な感じです。

周りの人が普段から変化に注意しておく事も重要だそうで・・・。

しかし、どうして専門家ってのはドーデモ良い事しか言わないんでしょう。420585s[1].jpg

もうちょっとマシな分析として、『 何かが再び始まる事へのストレス 』 ってのがあります。これなどは何と無く、うなずけますね。

日曜日の夕方ぐらいから、何とはなしにふさぎ込んで、憂鬱になる ‘ サザエさんシンドローム ’ ってやつに近い感覚です。

これの対処法は 『 無理をさせない 』 ことで、これもさっきのドーデモ良い専門家の意見よりはマシです。

無理やり叱責して強行すると、自殺などの極端な行動にでる可能性もある為、無理強いしないのは、あながちバカに出来ない対処法です。


《 どんな場合でも、自主自律が本質 》

しかしどうにも納得できないところがあります。それは 『 いずれ早いうちに出席(出社)させる 』 ってことに落ち着いてしまっているところです。

無理強いをしないとは言っても、それは一時的なもので、出来るだけ早急にいつものルーチンに戻したい訳ですね。

その時はやっぱり 『 厳しい態度で無理やり行かせる 』 事になるんでしょうね。

ここで問題なのは、本人以外の全ての人が 『 学校や会社に行くのが大切 』 だと考えてしまう事なのです。

実は大切なのは 『 勉強や仕事 』 の方なのですが、大抵の人は型式にこだわってしまうのです。128404s[1].jpg

本質的には自主性・自律性の問題ですから、決して枠組みの中にはめ込むのが最終的な解決策ではないのです。

昔から、『 水飲み場に連れて行く事は出来るが、水を飲ませる事は出来ない 』 って言いますもんね。

いずれ勉強なり仕事なりに、自らが自然に戻る時を待つしかないと思うのです。

無理強いをしないと決めたなら、その時が来るまでジッと待つ覚悟が必要だと言う事です。

それでもダメな人は、学校や会社にチャント行ってても、やっぱりダメだったろう、と思うのです。


《 自分で決めた事だから、覚悟を持つ事が出来る 》

ちなみに、私の長男は中学に行っていません。

中学2年から不登校になり、とうとう一度も中学校に復帰する事はありませんでした。

不登校になった理由は知りませんし、知ったところで、親が解決する筋合いのものでもありません。

多感な年頃ですから、専門家が言うようなアドバイスなんぞ、聞く耳も持ってはいませんでした。122741s.jpg

親はただ、聞き、見守り、信じて、応援するしかないのです。

そうして親子共に、普通の人が普通に行っている事が出来なかったというビハインドを、覚悟を持って受け入れるというのが最も重要なことなのです。

もちろん、不登校の学力的不利益を取り戻すのは至難の業です。

しかし、学校に行かなかったのは自分の判断ですから、そのビハインドを取り戻すのも自助努力でなければなりません

長男は中学2〜3年とほとんど出席していませんが、学校側の配慮により卒業させて頂きました。

その後、高校・大学を卒業し、現在は社会人4年目を迎えています。

失った時間を取り戻すのは困難です。

でも、たかが学校や会社に何年か行かなかった事などは、それ程の重大事ではありません。

困難でも、少しでも取り戻す事が出来れば、めっけもの、と言う事でしょうか。039253s[1].jpg

生きてさえいれば、取り返しのつかない事など、そうそう無いもんです。


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posted by 根本 健太郎 at 23:20| Comment(0) | 文化と経営 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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